フィン・ユール イージーチェア,No,45

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『世界で最も美しい肘掛けをもつ椅子』といわれている 椅子
フィン・ユール イージーチェア、No,45の肘掛けの修理です。

上の写真は、完全に折れちゃってます。
45番の場合肘から背もたれにつながる接合部付近が弱いようで
胴付きが切れている物を何度か見たことがあります。

今回は、肘掛けを新しくつくり直します。

中の写真は、折れてしまった肘掛けを慎重に取り去り
新しいパーツをある程度成形して、胴付き面を決めていきます。
この作業が全体の中で一番シビレました。削りすぎれば終わりです。
前脚、うしろ脚、背もたれ、につながる胴付き面がきっちり出ないといけません
すこしづつ追い込んでいきます。
面がきっちり出たら取付け位置を決めダボ穴をあけます。
仮組をして接合部の成形、少しづつ削りこみながら成形します。
シートがくっいた状態なので組み立ててからの削りは、かなりやりずらいので
組み立て前にほぼ完成に近いぐらいのラインを出します。
接合部付近のみやや残し気味にします。
接着材を入れ組み立て、接合部の段差を削りスムーズなラインに仕上げます。

下の写真は、塗装は、まだですがほぼ完成です。

2009_09_29-3

修理の場合、一から新しいものを作るのとまた別の難しさがあります。
新品のようにすべてキズを取り去りピカピカにした方がいい場合もあるし
キズや汚れを適度に残した方がいい場合もあると思います。
どこまで手をかけるのか判断が難しいです。いつも迷います。

今回この45番を修理してみてあらためてプロポーションの美しさに心を打たれました
構造的に弱い部分もあるけど、全部ひっくるめて魅力的な椅子だと思います。